このブログは、私こと「仔羊おばさん」が55歳で正社員採用されたことをきっかけに、仕事のあれやこれやについて書いてきました。
2020年、子供が統合失調症にかかり、2021年に大学復帰に付き合うため(と、その他いろんな理由もあり)、仕事を辞めて今4か月が経ちました。
2002年ごろからサッカー観戦を趣味として楽しんでおり、なでしこ、Jリーグ、日本代表なども含めてよく見ています。
スポーツで結果を出すことと、仕事で成果を上げる事には共通点が多くあります。
思いつくままにいくつか挙げてみます。
1.目標は高めにたてる
その昔、なでしこを率いた佐々木監督が言っていました。
なでしこは北京オリンピックでベストフォーに入った。それは日本チームにとっては素晴らしい結果だったが、しかしメダル獲得までは到達できなかった。メダルを取った他のチームは全て「金メダルを目標」としていた。
ここから言えることは、メダルを獲得するためには金メダルを本気で目指さないといけないということ。
男子の日本代表も、ワールドカップでの目標は「ベストフォー」でやっています。その目標でベスト16にやっと残れるか残れないかのところにいるのが、今の男子代表チームのこれまでの成績です。もっとも、前大会ではベスト8がちょっと鼻先に見えました。
仕事も、高い目標を立てると、その目標が達成できなかったとしても、その下にある目標は達成できたりするし、メンバー一人一人のパフォーマンスを最大限引き出す目的で、高い目標を押し付け掲げたりします。
とはいえ、仕事の場では下記の多くの項目を考慮もせず、やみくもにどれもこれも高い目標を掲げるため、社員が取り組み以前にやる気をなくしてしまって逆効果、ということがあります。少なくともワタクシはありました。
成果をあげるには、多面的な分析、十分な練習量と質、あと「成果をあげたい」と社員が心から望んでるかどうかどうかなど、多くのファクターがあることを経営陣は理解しないと、目標倒れになってしまうかも……。
(´・ω・)
2.適材適所
チームスポーツの場合、戦術と選手の長所あるいは持ち味がフィットした時に結果が伴うことが多い。
それがあるので、それまでチームに貢献してきたからとか、ものすごい技術を持ってるからとかいう選手であっても、いざワールドカップになると起用されない、または起用場面が少ない選手が出てくる。
でも、選手の特性を活かした起用法は大切ですね。一方、起用されなかったからといって、必要以上に落ち込む必要もありません。「たまたまこの戦術だから」ということもあります。いつでも貢献できるように準備しとけばいいだけのこと。
あるいは他のチームへの移籍を考える?
3.結果が求められる場合、内容が求められる場合、両方が求められる場合
最大の目標、例えばワールドカップやオリンピックでは最大限の結果を出すことを目標に試合を行う。
けれど、その事前に行う試合では、内容が大事だったり、パフォーマンスを上げていくことが大事だったりする。どの試合も勝ちを目標にするにはするけど、手の内は隠しながらと言う場合もあるし、テストマッチはその「テスト」の目的があるわけで。
テスト段階、というのもあって、サッカーだとメンバー選考のためのいくつかの試合がある。
「何のためにこの仕事をするのか」という位置づけですね。なんでもかんでもベストを求めて、本戦の前に「カスカス」になってるようでは戦えません。
4.育成の重要性、選手層の厚さの重要性
本当に大事な試合で結果を出そうと思うと、何年も前からの選手の育成が実は勝利を左右していることが多い。
また、選手層の厚さも大事で「適材適所」といっても選手を選べるだけの豊富な選手層がなければ選択の幅も少ない。
選手層を厚くしたければ、競技人口を増やすことも大事です。その競技をやりたい子供が多い方が強化はやりやすい。
これは、各企業間の格差が大きくて、大企業で待遇のよい企業は社員を選べるけど、何かしら問題があったり、企業規模が小さく待遇の悪い企業だと社員は選べないかも。
雇われる側から言えば、可能ならば「選ばれて入る」ような企業を目指したほうがいいという結論に至ります。
5.監督にもいろいろなタイプ、「監督層」も必要
選手に「適材適所」があるように、実は監督にも様々なタイプが必要。
国内リーグにそういった意味での競争があることが望ましい。
Jリーグにはすでにそういう競争があることは頼もしいところです。
が、プロ野球を見ると監督だけでなくコーチ陣もすごかったりします。その「分業体制」は見事です。戦術、相手チームの分析についてもスコアラーもすごい。けど、選手がかなり研究しているケースもあり、一歩も二歩もリードしてるかな、と。
いわゆる「勝ち」企業や「勝ち」業界が存在するということかな?
新卒の場合、業界研究は大切にしたいですね。
5.マーケティング
かつて日本の男子バレーチームがミュンヘンオリンピックで金メダルを獲得しました。これが男子バレー唯一の金メダルですが、当時の松平康隆監督が金メダル獲得のためには「人気」も重要なファクターだということで人気向上のための取り組みにも熱心でした。
すなわち、経営の順調な企業、みんなが応援したくなるような業種がよいということです。社会の中で必要とされる業界、人から喜ばれる業種であることが大事なのでしょう。企業だって持続可能なものじゃないと。
6.練習量、練習の質、コンディション
十分な、かつ最大のパフォーマンスを出すためのトレーニングは不可欠です。また、質も問われます。
社員も一人前になるまで、しっかり仕事がこなせるまで、人にできない業務ができるようになるまで、というように基礎訓練もありゃ専門的な分野での訓練まで段階があります。一段一段上っていくことが大事だし、向上心は大事ですよね。
コンディションも大事ですよね。
かつて日本はひたすら「根性」だった時代がありましたが、科学的に最も効果的な方法が模索されるようになってきたことも、最近の成果につながっていると思います。
メンタルも大事だということがわかり、近年はメンタルトレーニングも取り入れるようになっていますね。
会社では、モチベーションの向上、ということも含めて、この分野が疎かにされてるように思います。たぶん、社員一人一人がやる気に満ち満ちていれば、数字上の目標が達成されてもされなくても、次の発展につながっていくでしょう。
仕事も、成果を求められることが常です。
社員のパフォーマンスを最大に上げて、よい成果を成し遂げ、社員みんながハッピーな結果を得るには、やはり賢くマネジメントすることが大事でしょうね。
企業経営とスポーツは、必ずしもすべてが一致するわけではありません。
でも、共通するところも多くあります。
企業の場合、そうそう優秀な人材を豊富にそろえることが難しい業種業態もあるでしょう。
社員の立場で見てみても、そうそう優秀な経営陣に恵まれるとも限りません。
かつての私のように、子育てしながら働いている社員などでは、仕事に100%専念、という状態でもない。
でも、未だに「軍隊」みたいな上意下達方式で業務の指示をしているところは、先行き不安ではありますね。
そういう視点からも、ワタクシは新しい世代の経営者に期待しています。
昭和方式はもう機能しないと思うな。
( ̄ー ̄)