50~60代女性の転職 from55life

長年のワーキングマザー経験から綴る今

なぜ仕事を辞めることになるのか①

 転職した、ということはその前に「仕事に就いていた」ということです。そしてその仕事に就く、つまり「就職」があったってことです。

 

 私が前職に就いたのは15年前、40歳の時でした。

 子供は7歳と5歳、小学校と保育園でした。子持ち女性にとって、この子供の年齢というのは重要です。すなわち、保育園また学童保育への送り迎えが必要で、子供が熱を出せば園から電話がかかってきて、迎えに行かないといけないとか、病院も連れて行かないといけなかったり、当時の就職も大変だったな…と思います。

 子供が大体自立してしまった今より、ある意味再就職には不利ですよね。

 では、なんで当時仕事を辞めて再就職の道を歩まねばならなかったのか。

 それは、その前の職場が経営難に陥り、不正を働くようになった、それに尽きます。

 入社の時には「自分は他社のように不正なことは絶対しない」と言っていた経営者が、経営難から不正に手を染める…

 こういう事態に陥ったら、絶対にその職場は離れたほうがいいと思います。

 当時勤めていたのは社長と奥さんを除けば社員は2,3人というとても小さい会社でした。

 …経営難に陥ったのは、やはり日本経済の不景気が一番の要因だったと思うのですが、私自身は、経営難を打開するような働きができなかった自分にも責任があると思っています。

 子供が育ったのもその会社のおかげだと思うし、自分の一番苦しい時代を支えてくれた社長には、今も感謝しかありません。

 ただ、会社が不正に手を染めるということは、「自分も不正に手を染める」ということなのです。社員も社長の手足である以上、もしも摘発されたら自分も有罪です。「命令されてやったことですから」と言ったって通りません。

 ですから、そんな場合は、「そんなことできません。すぐ辞めます」と言って辞めるのが理想です。

 でも、小さい子供を抱えていた私にはその選択はできませんでした。そんな勇気も持てなかったし、そういうのって、ある日出社して働いていたら、「今日からこれすることにしたから」と宣言をされて、もうベルトコンベアーに乗るみたいにその業務が始まるわけで…そこで「社長それだけはいけません」と止めるべきなんでしょうが、止めるからには売り上げを画期的に上げる方法を提案できないと止まらないわけです。

 とはいえ、早晩その「辞める日」はやってきました。

 当時のわたしの心の動きはまた、機会があったら詳しく書きたいです。とてもこんな簡単な経緯で描き切れるものではありません。

 ともかく最後は、社員全員アルバイトで残るかどうか返事してくれと言われ、「どうしても社員として働くことが必要なので辞めて仕事を探します」と返事をすることになりました。

 それから再就職に至るまでは、結構長い時間もかかりましたし、苦労もしました。

 履歴書、かなり返ってきました。

 女性のための就職センターみたいなとこにも行って、相談もしたし、適職診断も受けたり、かなりもがきました。

 三か月程経つと、自分でも正職はあきらめがつきはじめ、インテリアの学校に行くことにして、アルバイトを探し始めました。

 その時に雑誌で「日本語教師募集」の記事を見つけたことで、前職の仕事のきっかけとなったわけです。