そういや、こんな経験もあるんです。
あんまり書きたくはないけど。
それは
妊娠した故退職に追い込まれる
という経験です。
少子化の今ならちょっと考えられないような実態ですけど、同じような経験をされてる方は意外にも多いんじゃないかと思います。
ワタクシに関しては、ちょっと自分自身にも罪悪感がいまだにあります。
ワタクシが結婚した時、夫はまだ学生(大学院)の身分でした。
で、生活を支えるのが自分の収入でした。で、職探しをしたんですが、結婚したばかりの人を雇う企業はありませんでした。
まず、雇っても妊娠したら産休を取られる。人手が足りないから募集してるのに、そこで抜けられたら大問題です。
で、運よく仕事を見つけて雇われたのですが、妊娠していたのです。
これはなあ。
ワタクシの罪悪感はこうです。
就職活動するなら妊娠してはいけない。
です。
これは論議の分かれるところです。
雇用主にも2つあって、雇ってすぐ妊娠した従業員をそれでも雇用し続ける雇用主と、「そんなん許せんやろ」と退職を迫る雇用主です。
もちろん、当時も今も妊娠を理由に首切りは法律違反です。
だから、当時ワタクシを雇ってくれた社の社長さんもあからさまに「退職してください」とは言わずに「辛く当たる」という行為で無言の圧力をかけてこられました。
よくトイレで泣いたなあ。
中くらいの規模の会社で、国内製造と輸入とをして商品を卸すという事業内容の会社でした。
近くにリハビリ専門の病院があって、そこで懸命にリハビリに励む方々の姿がワタクシの支えでした……。
ワタクシは輸入部門の要員として雇われていました。
そこも「残業はあるけど残業代はない」会社だったし、離職者も結構いる会社でした。
家族親戚中心でやってる会社で、そういう方々の結束は強かったと思います。
ワタクシは当時、なんとか3年は続けようと思っていたので生んでも続けたいと思っていて、頑張っていました。
でも、仕事が自分には向いてなかったんだろうなあ。
いい成果を上げることはできなかったし、最後社長に「お前は何を考えているんだ」といわれ(入社してすぐ妊娠して働けなくなるなら辞めるのが普通だろ、という意味)、「わかりました。辞めます」で辞めました。
正直、自分の中には罪悪感があります。
法制度上は別に入社したばっかりで妊娠してもその人権は守られるべきです。
でも、自分も悪かったよなあ、役にも立たないのにしばらくでも雇ってくれただけでありがたいと思わなあかんよなあ、っていうのが本音です。
その会社も、それまで何年も勤めてきた社員の場合は産休とって仕事を続けさせてました。「それまで何年か貢献してきた」ことが大きいんだと思います。
ワタクシは貢献もせずに産休に入ろうとしたので、そんな厚かましいことはしてはいかんかったのでしょう。
でも、妊娠を理由に社員の首を斬っちゃいけないですよ。
( ̄ー ̄)
病気が理由の解雇もそう。
でも容赦ない現実は
じゃあ、お前、一人前に働けるのかよ?
と迫ってきます。
そんなん、できない……。
となって退職の道をたどるのです。
そして、そんななので既婚者で若い女性は採用から外されることが多くなる。
けどねえ。
もしこれが酒飲みの方で、転職してちょっとして肝臓の病気にかかったとして、やはり同様に「働けないならちょっと遠慮してくれ(=自分から辞めてくれ)」みたいに言われるのかな?
望ましいのは「そんなことで首も斬られず募集からも除外されない」でしょうね。
雇うほうの本音は「入社して間もなく産休を取るんだったら応募しないでください」かな。(あるいは「妊娠しないでください」)
ワタクシの当時の正直な思いは「申し訳ないから理不尽だとは思うけどこの現実を受け入れよう」だったかな。
晩婚だったからね……。
出産のタイミングも逃せなかった。
裁判でも起こしていれば勝てる状況だったとは思いますが、勝ったところであの会社で仕事を続けるのは自分が辛いだけだったんじゃなかっただろうか。
まあ、あの仕事に関しては敗北感でいっぱいでした。
何から何までうまくいかなかったな。
今ももしかして、人知れず「妊娠を機に辞めるように追い込まれる」方はいるような気もする。
心からの同情を申し上げたい。
もしも大企業だったら訴えてやりたい。
小さい企業ならワタクシのアドバイスとしては「そんな会社に長居(ながい)は無用」かな。
ちなみにそういう状況の場合、すぐに働けないということで失業保険はもらえません。でも、しっかり状況を伝えたら、生まれた後で求職活動を再開する時点で失業保険をもらえるように延長手続きをハローワークでしてくれた覚えがあります。
実際、出産後失業保険の申請をするまでもなくワタクシはバイトで産後3か月くらいで社会復帰しましたよ(別の会社です、念のため)。
さらにその後半年くらいで正社員に昇格させてもらえました。
昔の話なんで、今は妊娠したらクビみたいな理不尽なことはなくなってると信じたいです。
ワタクシの世代では、表向きは「そんなことしちゃだめ」で、現実は「雇用を継続する雇用主もいれば、何とか辞めさせる会社もある」でした。
ほんと、あれで失業してほんと我が家は経済的に大ピンチでした。
夫も卒業後就職しても足元見られて社保に入ってもらえなかったもんな。
ほんま、そういう企業ってあるんですよね。
そういう社会の現実を知ることができたことはよかったことの一つかな。
踏まれる辛さ、痛さ。
今はもういい思い出よ。
仔羊おばさん