もともとはこれも人に勧められて読んだ1冊。
1人は小泉今日子。別に彼女の友人ではないですよ。テレビ番組「ザ・ベストテン」かなんかで勧めておられたんです。
もう1人は友人です。
これほどの1冊にはめったにお目にかかれません。
児童文学でもありますので、読書慣れしてる子なら小学校高学年でも読めると思います。
ただ、仕事、仕事で忙しくなった大人になってからのほうが、しみじみ理解できる物語です。だから、働く世代にこそ、大人にこそお勧めしたい1冊です。
小泉今日子さんは、この1冊を読んでからもアイドルとしてハードスケジュールをこなされたと思います。でも、この1冊を人に勧められるような、ものすごく大人でまともな感性を持った方だと思って、見直しました。
作者はミヒャエル・エンデというドイツの作家です。
書かれたのは1973年。
「ジム・ボタンの機関車大旅行」「はてしない物語(ネバー・エンディング・ストーリー)」の作者でもあります。
中でも、これは傑出した作品で、読む前と読んだ後では人生観が確実に変化している、そんな作品です。
訳者の大島かおりさんが1976年に書いた「あとがき」から、下記、抜粋します。
「内容的には、おとなにも子どもにもかかわる現代社会の大きな問題をとりあげ、その病根を痛烈に批判しながら、それをこのようにたのしく、うつくしい幻想的な童話の形式(エンデはこれをメールヘン・ロマンと名づけています)にまとめることに成功した点に、この本の画期的な意義があります」
そう、たしかに産業革命以降の「現代」の深刻な問題ですね。誰でも一度は考えてみていいと思います。
過去ログでも取り上げさせてもらってます。中国語版がどうしてもほしくて、中国で探したんだけど見つからず、台湾でゲット。
挿絵や表紙もエンデの手によるものだそうで、各国語版とも同様の装丁になっています。
図書館で借りてもいいけど、この本は購入する価値があります!
是非是非一度読んでみていただきたい1冊です。
仔羊おばさん