外国人留学生が主に大学進学のため受ける試験、日本留学試験について、今日は「数学」に関する小ネタを書いていきたいと思います。
文系、理系
まず、この「数学」科目は
コース1 主に文系学部志望の学生が受験
コース2 主に理系学部志望の学生が受験
の二つに分かれています。
たまに「自分は理系学部に進学したいけどコース2は点がとれそうにないからコース1を受けたい」と言う学生がいる。
しかし、そういう学生にコース1を受けさせても高得点を取ってくることはまず少ない。
コース2の点が取れそうにない時点で、その学生は理系向きではないと見るべき。
満点
どっちも200点
国公立大学に進学した学生で、ワタクシが見た最低点は48点でした。100点満点の48点ではなく、200点満点の48点ですからね!
通常は、文系志望で数学の苦手な学生でも、国公立に進学する学生だと大体90点(平均点が大体90~100点くらい)くらいは取ります。だから48点って「超低い」と言えるんだけど。でも日本で「日本語を主として専攻したい!」という学生や「英語のtoeflの成績は90~100点ぐらいあった(iBTの満点は120点)」という学生なら見込みはあるかもしれません。
また、募集要項を確認して「数学」が必要かどうかもよくチェックしておくことでしょう。
中華圏とかは文系学生でも平均点近く取れる学生は少なくなかったですが、ヨーロッパ出身で文系学生だと、数学の点数は平均点ないのも珍しくはありません。
でも、「青い目枠」というか、上記のように「要toeflスコア」の大学だと、今度は逆に中華圏はそこまで取れなかったりするので、そこはその学生の資質にもよる、ということでしょう。
授業態度
日本語の授業だと超優良な学習態度なのに、数学の授業になったとたん、スマホは触るわ、別の科目の宿題するわ、先生の言うこと聞かないわ……という態度が豹変する留学生は少なからずいます。
私も文系だからわかるんですけど、文系って数学が苦手な学生は多いんですよね。
数学の先生、ほんと大変です。
ですから、大学に進学するためのコースで、数学があまり得意でない学生を集めたクラスを担当する数学の先生はほんと大変でした。で、教えるのが嫌になって辞める率も高かったです。
ほんとに理系?
さて、これは実際にあった話です。
とある国の優秀な大学を卒業し、日本で大学院に進学するために我が校にやってきた学生がいました。Aさん。専攻は日本語。でも当時、そのコースの学生は全員数学を受けないといけなくて、Aさんは留試の数学を受験。
一方、日本で理系の学部に進学を希望してるが、「コース1」を受験した学生がいた。Bさん。
AさんとBさんは同じ国の学生。
Aさんは大学卒だから、数学なんかもう何年もやってないので自信ありません…と言っていた。留試が終わってからも「もちろん数学は全然よくなかったです」と言っていた。
ところが、ふたを開けたらAさんの数学の点数の方がBさんの数学の点数より良かった。
(>_<)
それほどに、留学生はもともと持ってる「資質」「学習水準」がモノを言うのだと思い知った瞬間でした!
文系学生でも数学が必要
さて、文系学生でも大学に入学すると、一般教養科目で理系の単位を取得しないといけないケースはあります。
また、経済学部などで「統計学」などやるとすると、これも数学的素養は要る場合も。
ワタクシ自身、大学の一般教養科目で「プレートテクトニクス」というのをやった時、
それでは1年にプレートの移動する距離を算出しましょう……みたいな内容になって手も足も出なくて、困ったことがありました。もう4回目くらいの授業でドロップアウトして、テストは受けたものの、何もわからず当時の自分なりの最大限の努力でテストに出題されていた計算に挑戦。
成績は「可」で単位が取れたんだけど、絶対ウソやんね!
まあそんなこともあるので、やはりある程度数学ができるに越したことはないのです。
私立の大学では、留学生に数学の能力を求めてない大学もいっぱいありますので、私立大学でよければ、無理に数学をやらなくてもいい、というケースも多いことは多いです。
留試「数学」に関して実験
一度、この留試の数学を日本人にやらせてみたくて、ある人に「コース2」をやってもらったことがあります。
彼は数学ができるヤツで、国立大学の理系学部にその後、合格したというレベルの学生でした。
すると、「コース2」は満点でした。
やはり、留試のレベルは適正なものだと思いました。
仔羊おばさん