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日本留学試験④理科に関する小ネタ

さて、外国人留学生が日本の大学に入るための試験日本留学試験には、「理科」という科目があります。

理系学部に進学を希望する学生が選択する科目です。

物理、化学、生物の3つから2つ選びます。

今日は「理科」小ネタ。

 

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奇跡

日本に来て最初の2年あるいは1年半、いわゆる日本語学校の授業は「日本語」以外はしてはいけないことになっています。

ここんとこ「数学」「総合」と留試の科目について書いていますが、これらの授業を行っているのは、日本語学校を終え、すぐには大学に進学しないで、専門学校で「大学進学コース」みたいなとこに入学して大学受験を目指す学生が受講するものです。

日本の高校生はまあ大体3年間で履修する内容をセンター試験で受けますよね。

それを「大学進学コース」では4月からスタートして11月の中旬くらいに行われる留試まででやっちゃいます。それも各科目、週に一コマか多くても二コマです。

なので、理科をあまり勉強してこなかった学生が、たったこれだけの期間に実力をつけ、いっぱしの点数を取って大学の理系学部に合格するのはかなり奇跡に近いです。

ワタクシがかつていたマンモス校でも、その「奇跡学生」はたった一人でした。

でも、一人でもいた、ということは奇跡は可能ということです!

その奇跡は、授業を受けるだけではだめだということはわかってもらえると思います。

理科に限らずですが、授業以外に自宅で自分でどんだけ頑張るか、です。

授業は日本語で日本人の先生がやってますので、教員の間でも

「日本に来てから学問的な能力を伸ばすことは不可能だ」

みたいに言う先生はおります。

数学も理科も、母国で学習した以上の能力に達することは不可能に近い、という考えです。

日本語の読解でも、「母語で本も読まないような学生の読解力を伸ばすことは難しい」と言う先生は少なくありません。

教育に携わっていない方でも、少しそういうイメージは持てるかな?

母語で新聞の社説が読めないような人は外国語で社説を読むこともできない、という考え方です。

ある意味で正論かもしれません。

でも、大学入試を留学生に指導する教師は、その不可能かもしれないことに必死にチャレンジしています。

私は何年もそういうことをやってきてるので、実は不可能とは思っていません。

実際、母国で養成してきた教養レベルを超えて力を積んでいくことはできるし、そういう授業を構築すれば、母語で読めなかった「社説」も外国語で読めるようになりますよ。

まあともかく、必死に頑張った学生はおりました。そして、理系学部に合格した実績もあるということです。

ただ、本当に頑張らないとだめですよ!

(; ・`д・´)

 

理科のセンセーは少ない

「理科」科目を語るのに、どうしても「理科の先生」は外せません。

それほど、「理科のセンセー」は個性豊かです。

まず、理科の先生って少ないです。

社会はごろごろいます。

英語、数学はそれよりは少ないです。

理科はそれよりはるかに少ないです。

まず、理系学部を卒業した時点で、多くの企業に就職できます。

最近は理系学部を卒業した大部分が、それだけでは勝負にならないと、大学院に進学しています。

もちろん大学にもよるんでしょうが、日本の理系の水準は国際的にみても高いです。

分野にもよるのでしょうが、日本は「技術立国」ですから当然です。

そんな市場の中で、理系学部を出て教育の道へ、という方は相対的に少なくなります。

また、研究肌な理系学部生で、教師になってうまくいく方、というのもそう多くないようです。

ワタクシがかつていたマンモス専門学校にはITやコンピュータ系もあったんですが、教師は本当に不足してました。で、専任ではなく、企業で働きながら講師も務める、という方を確保し、安定性が高いので教師職に落ち着いたーーという方は少なくありませんでした。

 

先生が問題起こす

で、その少ない理科の先生ですから、こういう事態が発生します。

理科の先生の授業のドタキャン。ドタキャンしても首にならないからドタキャンできちゃいます💦

ドタキャンされたら補講をするのですが、補講になると出席者が激減……。皆さんバイトとかあるんで。

理科の先生は授業が面白くなくても手放されることないから、そうがんばらんでもいい💦

そうなんです。

日本語の先生や英語、数学、総合は授業の質とか、あまり評判が良くないとかあれば、契約更新されません。でも、理科の先生は他がいませんから……

(ノД`)・゜・。

 

「理科」ほんまに好き?

留学生向け大学進学コースでは「理科の実験」なんてできない。設備ないし。時間の余裕ないし。座学。

入学前はね、学生は理科や数学が履修できるから、というのでこういう大学進学コースに来るんですけど、授業自体は詰め詰めだし(3年分を約半年で)、実験もない講義式ではかなり疲れるんですよね。

で、ものすごく理科が好きな学生にはそれでも内容自体が面白いはずなんですが、何せ日本の理系科目の水準が高めでして💦

母国で「ちょっと理系得意」くらいじゃしんどいんです。

あとは、自分でどれだけ自学自習できるか。

自学自習できる学生ならきっと「大学進学コース」に来ることなく、日本語学校時代に自学自習できてるはずなんで……日本語学校だけで進学できてるはずなんだよな。

ああ矛盾!

 

それでも理科の先生は我が道を行く

留学生を教えることをやってみようと考える時点で、すでに面白いかたが多いです。

あんまりお金にならない仕事ですから、それなりに面白いと感じないと引き受けてくれません。留学生を面白がってくれる先生は貴重です。ただ、やりたいようにやってはりましたね。

「ネクタイ嫌い」いたなあ。規定で、クールビズ期間以外はネクタイ着用なんですよね。言いに行ったら「ネクタイせないかんとわかってたら、おれはこの仕事は受けてない!」と逆切れされたなあ。

「顔が『じゃりン子チエ』の校長」いたなあ。どうしてもあの四角い顔は憎めません。

「女性としゃべり慣れていない」いたなあ。

「正論を展開する」いたなあ。日本語の先生とかだと、学生が宿題やってなかったり、授業中居眠りしてたりしたら、注意しないといけないんです。そのままにしてたら「どうしてほっとくんだ」みたいに言われるの。「講師規定」とかがあって、その中にそういう項目があるんです。「指導すること」って。

でも、理科の先生とかだと「Aさん宿題やってませんでしたわ」で終わり。

「Bさん寝てましたね」で終わり。

「先生、注意してくださいよ。講師規定にありますし」

「でも眠いもんどうしようもないでしょ」で終わり。

辞めた今では、私も理科の先生の言い分はわかるなあ。

( ̄ー ̄)

下手したら夏休み近くなっても「(学生の)名前がよくわかりませんねん」だって。

( ̄д ̄)

教師の基本じゃん…きっと最初から覚える気がなかったよね。

それでも教えていただけるだけでありがたいんです……。何せ理科の先生貴重。

 

理科の先生のフォロー業務をして、私も学んだ

学生時代、理科は、本当に苦手科目でした。

でも留学生の理科履修と先生のフォローを通じて、少しは私も学びました。

日本に留学するなら、やはり理系なんだ、と……。

生活、健康に直結する知識。

そこには様々な電気製品開発につながる研究がある。

建築では耐震技術。

創薬。人命や健康に直結する多くの学問。

船舶、航空、自動車。

材料。

環境。

理科科目は決して易しいものではないけど、もしその入り口に入ることができて、探求していけば、生涯食いっぱぐれることもないし、やりがいのある仕事もわんさかある。

食わず嫌いはもったいない。

せめて、電気くらいもっと勉強してればよかった。

猫 電気 に対する画像結果

 

物理

学生に聞いてわかった一つのこと。

「電気」系の内容を力学などより先に履修したほうがよい。留試では結構出題されるので、6月の留試前にやっちゃったほうが点が取れる。

 

懐かしかった

メンデルの法則 に対する画像結果

仔羊おばさん

 

 

化学、物理をやってる(専門)学校は結構あるでしょうが、生物までやってる学校は少ないかも、です。東京はどうかな?よくわかんないです。すみません。