ワタクシは1988年~1990年、台湾で日本語教師をしていました。
台湾は日本の南に位置しており、日本より暑い……というよりは「暑い季節が長い」が正確ないい方かな。
当時、コンビニでアイスクリームを買った時(ああ!当時はまだワタクシは糖尿病を患ってはいなかった!)、
あ!
このアイス、一回溶けてる!
(*‘∀‘)
と、感じたことがありました。
なんでわかったのかというと、ワタクシが子供の頃、すなわち1960~1970年代には、それは珍しいことではなかったからです。
だから、ワタクシはカップアイスが一度溶けて、お店の冷蔵庫で再び凍った時の食感をよく知っていました。それで、一口でわかったんですね。
ワタクシが台湾にいた1980年代の終わりごろ、そういった体験はかなり減少していて、日本で「一度溶けたアイス」を口にすることが少なくなっていました。それで、台湾でのその体験は今も忘れ難い体験として、記憶に刻まれているというわけです。
当時の台湾でも冷凍して運搬するのはすでに一般的だったんですけど、猛暑の時って、搬入時のちょっとした時間に外気にさらされるだけで、あっという間に溶けっちゃったりします。
それが、当時日本ではほとんどなくなっていました。
それで印象的だったんですね。
ケーキもです。
ワタクシの子供時代、すなわち1960~1970年代、ケーキを買って帰ったはいいものの、帰る間に注意を怠ると、ケーキは崩れてぐちゃぐちゃに……なんてことは、日常茶飯事でした。
ケーキを箱中央に固定するような包装もなかったんですから。
例えば結婚式のケーキを特別にどこかのケーキ屋さんに特注し、それを式場に運ぶ、なーんて時には、誰よりも慎重に運転する方がその任にあたる、なーんてこともありました。
それがいつの間にか。
まずはケーキを箱の中央に固定する包装が出現し、保冷剤が現れ、今はショートケーキの包装もほんとに崩れないようにうまく詰め物など工夫されています。
こんな包装を見てもびっくりしないもん。
それが、今回の高島屋発売の「ケーキ崩れて届いた」事件です。
輸送時に崩れないように工夫に工夫を重ね、実験を重ねて発売に至り、監修のオーナーシェフの話によると、過去5年「崩れた」という問題は起きていなかった、という。
ほんと、考えてみればものすごい時代になったものです。
アイスクリームもケーキも通販で買える。
すごい技術力、そして細心の注意を払って運んでくださる方の努力、頑張り、注意。
すごいな。
アイスクリームは溶ける。
ケーキは崩れる。
って、もう忘れてたわ。
くだんの監修をつとめた方は、あくまで原因の追究を望んでおられる、という。
でもね。
ワタクシは「原因は突き止められない。責任はウチがとる」と表明した高島屋ってすごい偉いと思います。
潔(いさぎよ)い!
もちろんそれは、経営がうまくいっているという余裕がなせる業ではありましょう。
「高島屋」という一流ののれんがそうさせるのかもしれません。
だけども、ワタクシが勤めてきたいくつかの会社では、製造元の工場及び配送のどこかの段階で起きたことなら、絶対にそれらの会社に補償をさせる、と言うスタンスでした……。自分は絶対に損は切らない。絶対に他社に負わせる。負わせることが不可能なら、一部分だけでも負わせる。
そういう考えです。
ところが高島屋さんはそうはしなかった。
高島屋さんは楽天ポイントがつくのでありがたい百貨店ですが、今回の一件で、ワタクシ、高島屋のファンになっちゃいましたね。
ともすれば「売ってやってる」みたいな態度を取引先に対して大企業の受注元(代金を払う側)って取りがちだと思うんです。
自分を振り返ってみたって、「自分は損したくない」って思ってますもん。
「損は自分がかぶって他の人に得を得てもらう」
うーん。
なかなか踏み切れることではありません。
飲みこめることではありません。
さすが高島屋やな。
( ̄ー ̄)
自分もそういう生き方をしたい。
3歳の子が見事に崩れたケーキをデコった。
このニュースにも心をぐっとつかまれました。
災い転じて福となす
って言葉を思い出しました。
ワタクシも、次男の病気再発を嘆いているだけじゃなく、これを「転じて福となす」精神でいきたいと思いました。
(@_@。
ウン。
仔羊おばさん