50~60代女性の転職 from55life

長年のワーキングマザー経験から綴る今

ジャニーズ問題から、中学校長がかつて性暴力を働いていた件から……考えたこと二つ

例えば、創業者が今もばりばり仕事をしていて主力で、しかしながら「アルコール中毒」だったとして……

それを指摘し、そんな状態で仕事に従事するのは望ましくない、と声をあげられるか?

考えたこと二つのうち、一つはそれだ。

ジャニー喜多川氏のような性的異常よりはアル中のほうが指摘しやすいんじゃないかとワタクシは思いますが、それでも、いち社員が声をあげられるだろうか?

例えばいち社員が上司に訴えたとして、上司は動いてくれるだろか?

上司が動いてくれたとして、幹部はその声に応えてくれるだろうか?

適切な治療なり、リハビリなりをしたほうが当人の人生にとって明らかによいことだとわかっていたとしたって、企業なり社員なりがその道を創業者に歩ませることができるだろうか?

 

そんなクエスチョンを自分にしてみた。

猫 質問 に対する画像結果

ここで、自分が最後に日本語教育に取り組んだ会社について思いを馳せた。

創業者はひどくアクの強い人で、週に1度の朝礼を2~3時間ぶっ通しで行う。もはや講演会である。

その間、100人ほどの社員が一堂に集まる。創業者は毎回聴衆の中の誰かに何かを問いかける。そしてその返答に対し、ほぼ毎週なじり、ダメ出しをする。声が小さいとか答えが的を外しているとか、多くの社員の前でなじり、ゲキを飛ばす。

要の伝えたい部分はビジネス書を読めば書いてあるようなことなので、その点勉強になることは確かではあるけど。

その伝えたいこと自体に大きく間違っているところがあるとは思わないけれど、やり方としてはちょっと良くないところもあるし、何より時間を取り過ぎだ。

部下をその場でやり込めたりするのは、おそらくだが聞いている社員が退屈で寝てしまうのを避けるために始まったんじゃないかと思う。

わざとやっていると思う。

ワタクシが最初にその社に入った時に直属の上司(彼女も途中入社)が「あの朝礼でもう気絶しそうになりました」と言っていた。その当時いた同僚は、私が入社する前に辞めた。

おそらくその朝礼に集まっている約100人くらいの社員のうち、90人~80人くらいは「これはどこかおかしい」と思っていると思う。

そして、これも「おそらくは」だが、こんな講演会もどきを長時間やる必要はない、と忠告した方も過去にはきっといただろうと思う。

それでもこのやり方が続いている。

たぶん誰が何を言ったところで、このやり方を変える気はないということだ。

で、この感じはその他幹部も似たような雰囲気を持っており、何かと言うと人を集め、大声で怒鳴ったり、自分のそれまでの頑張りの披露をして「同様に励め」と迫る。

 

創業者に気に入られ入社してきた「ガンガラ上司」。

ガンガラ、ガンガラ怒るところからワタクシがつけた仮称だ。

彼も会議の度に誰かターゲットを決めてはしかりつけた。

小さい会議の時などは「それってただの言いがかりでしょ」みたいなつまらないネタで事務長をつるし上げた。

ガンガラ上司と同室で仕事をする者は4~5人いたが、2-3か月に1人は辞めていき、また補充、そしてまた誰か辞め、また新規採用をし……。

そして留学生たちにクラス全員が「おはようございます!」と声を完全に揃えて言えるまで何度も「起立、礼!」のやり直しをさせる。

「そこ!遅れている!もう一回やり直し!」全員がぴたりと同じ行動、動作、大声で挨拶、背筋の伸びたお辞儀ができるまで繰り返す。

「規律訓練」という名前だった。

この「規律訓練」を学生に毎時間授業始まりにすることを我々教員にも強制した。

「これだけはしっかりやってください」とガンガラ上司に言われた。

その起立、礼!

もう一回!

やり直し!

は、今の日本の学校でもめったにお目にかかることはない。

大戦中に軍隊でやってたようなものだ。

たぶん「パワハラ」の範疇に入ってくるものだ。

もしも本当に社のためを思うなら、

「あんな軍隊式の礼を強要するような、著しく国際感覚を欠いた上司は日本語学校の管理者にふさわしくない」と、声をあげるのがまっとうな社員のすることだったんじゃないか。と……今も後悔することがある。

でも、私はそれをしなかった。

創業者は自分もそんなだから、部下が次々辞めていくほどきつい「ガンガラ上司」はお気に入りだったし……。

でも、そんなの自分の意気地のなさを正当化してるだけで、真に学生のためを思い、学校を健全なものにしないなら、闘うべきだった。

だけど、そうしなかったし、できなかった。

私自身がそんなダメ人間なんだから、ジャニーズ事務所が創業者を放置してたことを非難などできない。

いち従業員が「これはおかしい」「A氏は上司として不適格だ」などと声をあげるのはさほどに難しいことだ。

仮にそんな声をあげたとしたって「仔羊のような部下に甘々の者は主任不適格」と返す刀で斬られそうである。

そんな生意気な部下は斬られて終わりだろう。

部下が上司に対しそのように意見を言うのは越権行為もはなはだしい。

そもそも「部下の管理監督」は上司の責任であって、「上司の管理監督」は、そのまた上司の責任だ。

よって、社のトップの不適切行為は誰も管理監督する者がいない。

テレビで橋下徹氏がはっきりとおっしゃってたのだが、くだんのジャニーズで噂となっていた喜多川氏の問題行動について所属タレントが責任を負う必要はないそうだ。

ワタクシはそれを聞いて救われた。

だってガンガラ上司やら創業者のおかしな点について指摘はしなかった過去を持っているから。

 

ワタクシがその職場を去ったのは、次男の病気もあったけれど、あの環境が我慢ならないというのもあった。

 

考えたことの一つ目

部下が上司の不適切な言動について物申せるか?

答えは「難しい」だ。

 

考えたことの二つ目

下記は読売新聞9月29日の報道です。

 

 教え子の女子生徒に学校内で性的暴行を加えたとして、東京都練馬区立三原台中学校校長の北村比左嘉(ひさよし)容疑者(55)(練馬区中村南)が29日、準強姦(ごうかん)致傷容疑で警視庁に再逮捕された。北村容疑者から性被害を受けたとの相談が複数、警視庁に寄せられており、同庁が確認を進めている。

 

本当に恐ろしい話ですが、被害学生は当時、訴え出ることができなかったそうです。

いかに被害者が声をあげることが難しいか、再認識させられました。

ジャニーズの事件もそうですね。

それに加えて、10代前半のまだ大人と闘うことの難しい年齢。

泣く イラスト に対する画像結果

でも、そんなことしてはいけないって知ってたはずです。

わかってて教師が性的暴力に走ってしまう背景について、ちょっと考えました。

ストレス。

それはあったでしょう。

今の日本でストレスを抱えていない教師などいないでしょう。

もちろん、大変なストレスを抱えていても大部分の先生は歯を食いしばって耐えているのですから、この校長の犯罪が許されるわけではありませんけど。

 

もう一つの件。

「アルコール」についてなんですけど。

 

生涯でアルコール依存症に罹患する人は約1%(107万人)

2013年に行われたわが国の成人の飲酒行動に関する全国調査によると、ICD-10によるアルコール依存症の生涯経験者数は、男性の1.9%(94万人)、女性の0.2%(13万人)であり、推計数は男女合わせて107万人でした3)。また、現在ICD-10アルコール依存症の診断基準を満たす人は、男性の1.0%、女性の0.1%で、計57万人と見積もられています。

 

以上、厚生労働省の調査による数字です。

これほどにアルコール中毒は多い。

ワタクシ、ちょっと思うんですよ。

児童ポルノだとか、性や飲酒に寛容な社会だとかのほう、何とかなんないでしょうかね?

自由は大事ですよ。

だけども誘惑に屈して身を滅ぼす人がいるのも事実です。

 

ワタクシのスマホにもどしどし出てきますよ。

ポルノマンガの場面。

はだかに近い女の人の写真。

日頃スマホで見る記事ってサッカーばっかなのにさ……。

 

飲酒もね。

いかにビールがおいしいか、飲酒が楽しいことかとどんどんCMが流れる。

酒は百薬の長と言うし、酒そのものに罪はないんでしょうけど。

 

次から次へと人を誘惑するものの多さ。

 

考えたことの二つ目は、そうやって次々人を誘惑する広告は罪を問われないのか?

です。

たぶん罪に問われることはありません。

ガンに罹患して命を落とした責任を、かつて喫煙CMをどんどん流していたテレビや専売公社(古いね。今はJTという名前だね)が負ったことはない。

 

仔羊おばさん