この問題ばかりは、深刻に考えさせられる様々な局面を持っている。
まずは、それは全ての働く者にとって、多かれ少なかれ近い問題に直面してるからだと思います。
「過労」までいかなくても、というか「過労」に至る労働者がいるということは、すなわち働いて疲弊している方がそれ以上に多くいる、ということを表しています。
ワタクシは昨年「ピッキングと梱包」というバイトをしまして、昨年は梱包エリアにしか冷暖房がなかったことをこのブログに書きました(今夏はピッキングエリアにも冷房が設置されているはず)。
それだけでものすごくきついと思いましたけれども、今夏ニュージーランドに旅立つ時に空港でなんの遮るものもない直射日光の当たる場所で働いている多くの方々を拝見し、「あーまだあれはましだったんだ……」と思いました。
話が横道にそれましたな。
ジャニーズ・エンターテインメントという企業の同族経営の体質。
それって最後にワタクシが勤務した日本語学校の親会社も全く同じでした。
ジャニーズの創業者ジャニー喜多川氏の行った性加害は「犯罪」ですから、他の同族経営の社風問題なんざ、吹いて飛ぶようなものではあるでしょう。
けれど、創業者のいびつな経営手法や考え方を是正できない企業など全然!
珍しくないと存じます。
簡単な理屈で、その創業者のワンマン経営で発展を続けてきた企業は、そのレールに乗って経営を続けることを選択するからです。
途中入社で入ってきた者は違和感を覚えるでしょうが、下っ端の思いや考えなどは無視されます。無視されないのは「その企業に多大な貢献、利益をもたらした従業員」です。
そういった目覚ましい貢献ができない「凡なやつの違和感」は企業内ではガン無視当然なのです。
(T_T)
残念ですけど……。
ところがジャニーズにおいてはその「多大な貢献」をした方も含め、氏の性加害を隠蔽されたようなので、更に問題は深刻ですね。
では、創業者の不正を正せる企業がどの程度あるかというと、制度的に、法的にそういうシステムを備えない限り、誰かからの力で阻止できる企業はそうそうないかなと思います。
またジャニーズは「成功した企業」でした。
もう一回同じことを繰り返し書いてしまいますが、こういう「成功した企業」の創業者はほめたたえられるにふさわしい活躍をした方ですから、外圧などにさらされることも少ない。内部告発者がいても上述したように、下っ端や「凡な社員」なら「ただ文句言ってるやつ」となってしまう。
ワタクシの例で言えば、電通の鬼十則の半分パクリ社訓について「これは問題だ」と直属の上司に訴えましたが、ガンガラ上司はそれがパクリ社訓であることはとうにご存知で特に問題だとも思ってらっしゃらないようでした。
これでワタクシが日本語能力試験N2、N1合格者をばかばか続出させる名教師なら、なにがしか私の意見も尊重されるところですが、そうではない「凡」な教師の言うことなど、社を発展させてきた社訓や創業者の敵ではありません。
そんなワケで、仕事が辞められる状況にある者は辞めていきます。
けど、そうじゃなくて現職の仕事が大事な者は社に残る。
という図式です。そして、その企業が発展を継続する限り企業風土は良いところも悪いところも残ります。
こんな風にジャニーズ問題は、多くの企業に共通する面があるんじゃないでしょうか?
まあ東証一部上場みたいな一流企業に勤めてる方には無縁の世界でしょうけど……。
(そういう企業は「ワンマン」からすでに脱却している、という前提)
それ以外の企業なんて「まあそんなもん」じゃないでしょうか?
とはいえ、ジャニーズの問題は創業者が
犯罪
を犯していた、ということです。ほんと深刻です。
また、大きく報道はされていませんが、氏自身が過去において被害者であった可能性もあります。
精神疾患の可能性がある場合は医療の力を借りて治療する道を選択することも大事ですね。言うまでもないことですけど。
仔羊おばさん