日本語学校を経営してる方には死活問題でありましょう。
しかし、ここは読者もそう多くない「世界の片隅」なので、もと日本語学校のベテラン教師として、どうしても書かんといかん思いにとらわれてます。
事実としては
1.ネパールからの留学生の比率がベトナム人を越えるかもしれない。
2.ネパールはアジアの中でも貧しい方の国である。
他にも、永住志向が高い、などもありましたか。
これまでも日本に来る留学生は背景に「貧しさ」がありました。
もともと中国だってねえ。
ウチの主人が来日した1990年前後は中国も貧しい国でした。
その前は韓国も台湾も、まだ貧しかった。
(それを言うならその前は日本も貧しかったよね)
今回の報道で、おそらく触れることができないので触れていない一つのことに
「日本語習得力」があります。
これは、個人差があるため、一概に言い切ってしまうことができません。
どの国にも「語学習得にたけている人」はいますので、まずはその方々は除外します。
問題は「たけていない人」です。
中国人は漢字と言う武器があり、教育熱心(詰め込み教育大好きです)なお国柄でした。
韓国は語族が日本語と同じ「膠着語」です。文法がそっくりです。もともと漢語圏でもある。
フィリピン。基本、英語ができます。今日本語学校などでは滅多に見かけなくなりました。
ベトナム。実は漢語圏です。この辺りで日本語学校ではかなり日本語教育に苦しみ始めました。
もともと日本語学校に在籍できるのは最長で2年。この2年で日本語能力試験の最高レベルN1に達することが難しくなりました。語学に向いてない方だと、その次のレベル・N2もほとんど難しく、そのもう一つ下のN3に不合格という者も少なくありません(でした)。
もう一度強調しておきたいのですが、「語学習得にたけた人」は除外です。
たけた人には無限の可能性が広がっていますので。
問題は「たけてない人」なのです。
ネパールは上記のような「漢語圏」とは呼べないです。また、国の「教育水準」ということがある。これについて差別的な報道は避けたのか、新聞で触れてませんでした。
むしろ「日本で働く」にフォーカスしてましたよね。
ということは、今後は日本語学校経由「特定活動ビザ」取得の流れができるということかな。
すると、大学や専門学校進学を目指す学生と「特定ビザ」組に志向が分かれていくのでしょう。
大学や専門学校は基本的に日本語能力N2以上、という建前がありましたが、特定活動はビザの種類により分かれます。
どうしてもN2以上必要、とかだとそれなりに頑張ったりしますが、最初からそれが崩れていると、日本語教育そのものが変わってしまいそうな気がします。
考えさせられます。
本来は「語学習得にたけてない人」が留学するのは悲劇のもとなんですけど……。
日本からだってもちろん「たけてない人」も留学してますがね。ただ、日本は貧しい国ではありませんから、留学生活(=勉強)に専念できる比率が高い、ということは言えるんですよね……。
仔羊おばさん