最近のニュースで
1.技能実習制度を見直すことが決まった
2.特定技能ビザの分野と人数の見直しがあった
両方とも、いい知らせであります。
技能実習制度で一番問題だなとワタクシが感じていたのは
転職(転社)ができない、という点でした。
就いた職場でいじめられても暴力を受けても転社できない。
そこで大問題となるわけです。
特定技能のビザについて最初に聞いた時、転社できるということだったので、その点はすごく良いな、と思いました。
だけど、そうすると人手不足が深刻な地方から最低賃金が少しでも高く設定される大都市に人材が流れ出てしまう可能性があるのが弱点です。
技能実習制度については、呼称も実態とはかけ離れてしまっているので、いっそ廃止したらどうかと思います。
けど、多くの受け入れ団体がすでに設立されていて、技能実習生を受け入れて1か月の研修をし、そのことで利益を得ている受け入れ団体を作ってきた企業から大ブーイングが起きそうです。
だから、「見直し」といっても抜本的なものは難しいでしょうね。
だけども、今の問題の解消を試みるだけでも一歩前進ですから、どう見直されるのか注視したいと思います。
一方の特定技能ビザですが、日本語学校在学中であっても出願でき、就職先が決まれば日本語学校を辞めることが可能となる、また日本語習得について、就労分野によってはさほど高い能力が要求されたりしないので、学習のモチベーションが下がっちゃうんじゃあないかという危惧もありました。
とはいえ、期の途中で学校を辞めても学費の返還はしないだろうから、学校側はそれでいい、ということになるでしょうね。
ただ、長年日本語教育分野で働いたワタクシが断言してもいいことが一つ。
どんな職場も欲しがっているのは
一流でなくても二流くらいの大学に進学できる能力がある外国人です。
関西だったら関関同立より下だけど、一応みんなが知ってる大学
関東だったらMARCHより下でも、名前を聞いたことがある大学
に進学できて、卒業できるくらいの能力がある層の外国人。
たとえバイトでもそのくらいの層からが職場で役立つ層となります。
日本語能力試験だと学習2~3年でN2に合格できるレベルですね。
よく日本語学校にそんな人材を求めて「バイト募集してるんですけど」と、担当者が訪ねて来られていました。
実際にはそんな能力がなくても特定技能ビザで単純労働に従事してる人はたくさんいますが……
本当に欲しいのは、やはりN2くらいには届く日本語力が身につけられる人材。
まあとにかく、都会に人材が流出しないようにするには、地方都市であっても最低賃金を引き上げるしかないと思います。
「日本人労働者と同じ待遇」ではだめなのです。
「日本人以上の待遇」でないと人材の定着は難しいでしょう。
また、この人材を取り合うライバルはドイツや韓国です。
その競争に勝たないといい人材は日本に来てくれません。
彼らとともに働く日本人も変化してかないといけませんね。
相手が日本語がわからないからといって、コミュニケーションを避けているようではいけません。
幸い今は自動翻訳もかなりのレベルにきていますし、共生できるよう努力が必要です。
それが嫌なら、あとは機械化、ロボット化。
仔羊おばさん