50~60代女性の転職 from55life

長年のワーキングマザー経験から綴る今

日本語能力試験②

日本語能力試験には、N5からN1まで段階があり、それぞれ合否が結果として出る。

N1とN2、場合によってはN3までが合格の難しいレベルになる。

最もレベルが高いのはN1だ。

変な理屈をこねて悪いが、N1に合格できるほどの実力を身につけていれば、N2もN3も当然合格する。

だから、日本語を学習するなら、はじめからN1を目標に学習をやっていくのが、学習者としての正しい姿勢なのだと思う。

教師としては「N2、N3の指導はできますが、N1の指導はできません」てな教師は日本語ネイティブの場合、あまり考えられないとワタクシは思ってます。

だから、N1に合格する方法について、まずは書きたい。結局、日本語は日本語なのであって、例えば日本人の生活で「うちの家族はN2レベルの日本語しか使っていません」という家族は存在しないのです!

日本で生活してると、ある日突然「モフモフ」なんて、新しいオノマトペがメディアに出現したりします。こんなの「超N1」と言いたい。あ、でも今「N1」でも「N2」でも、厳密な語彙の制限はされていないので、語彙については「日常不断の努力」は不可欠です。

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N1に合格するには:一般的に

まずは日本語学校に入学して学習をスタートする学生の場合、

学校の宿題・課題を

完全に

真面目に

自分の力で

もれなくやる。

間違ったところは再度復習。書き写すなど。

聴解はちゃんと聞き取れるまで何度も自分でフルディクテーションする。

学校の学習プラスそれくらいをやり続ければ、よほど語学に向いていない学生以外は、2年あれば合格できるはずだとワタクシは思う。

 

もう一つ、どの学校もやっていないことだが:
NHKの夜7時のニュースを時事ニュースを除く全てを、毎日、完全に学習し、習得すれば合格できると思います。

インタビューの部分や天気予報も含みます。

言っときますが、漫然と「見てるだけ」は学習とは呼べません。

まずは画面を消し、フルディクテーションで全てを書き、さらに書いた文を全て漢字かな混じり(カタカナも)で筆記できるまで学習すれば、N1は合格できます。きっと。

あとは問題形式になれるために模試を何回かやる。

この上に、毎日ネットニュースか新聞紙の全てのページの代表的なところを重点的に学習すれば、読解も怖くないと思います。

これだけの量をしっかり学習できる気概と時間と飽(あ)くなき向上心を持ち続けることができるなら、そりゃ、N1合格するよね。

実は「聴解」に日本語会話もでてくるのですが、これまで指導してきて、この問題は実力通りで、がんばってもそう点は伸びないから、その問題だけは「半分できたら上出来」くらいにおいときます。

 

模試の問題集で、同様の練習をしてもよいのですが、ニュース番組で行えばいいと感じる理由は、今の日本語能力試験の一つの傾向として、「本当に来日している」学生は比較的合格している、からです。

「本当に来日している」とは、「日本人コミュニティの中で日本語を読み、書き、聞き、話して生活している」ことを言います。

ワタクシは日本語学校で働いていましたので、特にそう感じるのですが、日本に来ていても「外国人コミュニティの中」で生活している学生はかなり多いです。

聴解問題で、どのパソコンを買うかとか、携帯を買うかとか、旅行のプランをどうするかとか、はたまたプレゼントをどうするかとか、そういった問題の中に、今の日本人の生活や価値観がちょっと反映されてるところがあります。

問題は非公表なので、実際どうなのかわかりませんが、模試なんかで入浴剤の選択が出てきたとき、「これは日本人の生活に深く入り込んでいないと……」と感じました。

学生の出身地域によっては「入浴剤」なんて想像もできないでしょうから。

もちろん、聞いた話ではありますが、海外での問題と日本国内で実施される試験とは問題が違うらしいので、配慮はしてるようです。

でも、日本に来てても「学校に通訳がいる」「同国人とともに住み、同国人と一緒にバイト」「バイトに追われ、学習時間の余裕なし」みたいな学生はやはり合格は難しいでしょう。

漢字圏が有利なのは漢字語彙に共通するものがあることと、もう一つは生活水準が近く、生活も類似していること、また、経済的に余裕があるので地域の活動や交流に参加できる時間があったりすることも、合格者の多い原因となっているかもしれません。

 

欧米出身者ならば、同国人が少ない、文化圏を越える留学という時点で覚悟ができている、学習目的で来ている、論理性に優れている(母国の教育傾向のたまもの)人の場合は戦いを有利に進められるんじゃないかと思います。英語に強ければ「カタカナ」の習得も有利ですね。

また、「日本人のほうが付き合いたがる」というのも有利な点ですかね。

 

ちょっと極端な学習法を書きました。

ただ、ワタクシのいた日本語学校も含めて、どの学校もきちんと「初級ー中級ー上級」と順序良く、理路整然としたカリキュラムを組んでいるはずです。

そうすると、N1合格はかなり遠い道のりになる。

学生たちの実情としては、来日して最初の3か月が最も学習意欲が高く、がんばる時期なので、20年余りのワタクシの経験で言うならば、その最初の3か月はできるだけ詰め込んだほうがいいように思います。

漢字も、「一、二、三……」というように簡単なものから習うようになっていますが、これも大胆に、来日したら容赦なくどんどん画数の多い物も入れていったらどうかと思います。

 

どっちにしろ、本当に学習中心の生活ができるかどうか、それが日本語能力向上のカギであることは言うまでもありません。

 

仔羊おばさん