ワタクシは日本語学校で教員をしている。
学生には高い目標を達成させるべく頑張ってきた。
非漢字圏の学生にとっての日本語教育機関における「高い目標」
それは日本語能力試験N2レベルの合格 というものだ。
学生のうち、「上半分」にとってはこの目標に向かっての学校で良い。
今年はコロナで7月の試験が中止になったため、大部分は1コ下の「N3」受験だったから、うちの学校でもそこそこ合格するのではないかと思う。
もちろん、我が社の幹部はお怒りで
「なんでN2の合格少ない!」となるが、そこはワタクシは反抗はしない。
今年だけの事情を幹部の方々はご存じなく、またそれを言ったところで、学校としての目標に達していないことの言い訳を言ってもはじまらないからだ。
これは、別に日本語教育だけでなく、一般の学校でも言えることなのだが、
「高い目標」とそれに合わせた教育内容は、「上半分」の学生には良い。
問題は「下半分」の学生だ。
「下半分」は、かなりモンダイ多い。
彼らには我々教師及びスタッフは身の丈に合った「N4」というレベルをお勧めする。
ところが、愚かな学生ほどそれに納得はしないので、どうしても「N3」を受ける、と主張し、実際、N3を受ける。
「N4なんて意味ない」と言う。
もちろん今は、「特定技能」というビザ種ができて、それはN4合格が必要になるので、今は意味もあるのだが、専門学校などへのしんがくとなるとN2以上が原則であるため、N2が無理ならN3を…という論理になるのだ。
(前校では学生は「日能試なんて意味ないから受けません」というセリフをよく聞きましたっけ…)
N2、N3といっても皆さん、ピンとこないかもしれませんね。
英検の3級受験だったら、笑われません?
日本語だってそんなもんだと思います。N3なら、別に海外留学に行かなくても合格できるレベルです。
きっと問題は、そんなレベルの学生を集めて、バイトをさせながら教育していく現実があると思います。
N3はまだいいです。
1年半、2年いてN4レベルがやっと、あるいはN4も厳しい学生が「下半分」にいるわけです。
でもN2合格が学校の目標だから、そんな学生もN3レベルの教材をやるクラスに配置されます。また、学生も頑固に「N3受ける」って言います。
N3で既に、海外留学に来た割に恥ずかしいレベルなので、それ以上下りようとはしません。
でも、そのレベルの学生に無理やりN3の教育をしても、
わからない
面白くない
んですよ。
教員もコロナ禍で、教員数は減らされています。
クラスをきめ細かくレベルに応じて分けられません。
その矛盾の中、ワタクシなどは思います。
もうちょっとレベルに応じた教育ができないものかと。
多大なストレスを
教員
学生
ともに抱えながら、下の方のクラスでは出席も下がりがちになり、みんなが苦労している。
さあさあ、今日も学校です。
仔羊おばさん