さて、「日本語能力試験」についての記述、4回目です。
今日はこの「日本語能力試験」の「N3」というレベルにスポットを当ててみます。
今、非漢字圏の学生ー具体的に言うとベトナム、ネパール、インドネシア、スリランカ、インド、ミャンマーなどの学生が日本語学校に入学し、2年目で目指すのがN3になってるかと思います。
ちょうど12月の第一日曜、すなわちさる5日、日本語能力試験が実施されたはずです。
日本語能力試験は最上級がN1でいわゆる「上級」のイメージ、
N2とN3が「中級」のイメージです。
もともと日本語能力試験が始まった時は、1級-上級、2級‐中級、3級‐初級 といったイメージで、3級は曜日とか時間とか場所とか物、ともかく超がつく易しい問題で、
こんなん来日して不合格の学生なんかいるのか?
と思うほど基本的な日本語の試験でした。
漢字も少なかった。
しかし、日本語能力試験の改訂の際、3級と2級の間が離れすぎている、ということで、
かつての3級は今のN4あたりになっています。
つまりN4までは易しく、不合格だとちょっと恥ずかしいだけじゃなく、日本で生活するのには足りなさすぎるレベルです。
さてここで問題ですが、日本語能力試験のN3ーN1の合格率は日本国内受験と海外受験とでは、どちらが合格率が高いでしょう?
カンのいい方は、この質問が存在するってことだけで解答がわかると思います。
そう!
「海外受験」のほうが合格率が高いのです。
そして、その理由は公表されていないのでよくわからないのですが、日本で教えている日本語教師の受け止めはどんなふうだと思います?
海外実施の試験と日本国内実施の試験で、問題が違っている可能性もあるんです。海外実施の試験のほうが易しい、という噂も聞いたことがあります。
でも、日本語の先生は一般的にきっとこう感じていると思います。
日本に来てバイトして生活しながら勉強するよりも、
自国にいて慣れた環境にいるほうが勉強に集中できるんやなあ。
と……。
まあ、そういう感慨は感慨として、日本に来てしまったのですから、N2は無理としてもN3ぐらいは合格したいところです。
ワタクシ自身が自分の目でN3の問題を見ていくと、「N3はそんなに易しくない」というのが感想です。
N4は「誰でも合格できそう感」を感じますが、N3はそうではありません。
どっちかというと「N2合格の前段階」くらいだと思う。
漢字もN3レベルになると、ある程度抽象的なのも知っていないと不安です。
イメージとしては高校レベルの英語あたりかな?(学校にもよるんでしょうが)
来日時に初級から学習を始める非漢字圏の学生にとって「2年目のN3合格」は達成の見込みのある具体的なちょうどいい目標になります。
けど、「生活苦を抱えながら」ということになるとN3も易しくはないので、結局、
「地獄の沙汰も金次第」ならぬ「留学の沙汰も金次第」なのかなと思うと悲しいです。
新規入国がまたピンチに陥っている今、日本にいる留学生たちの健闘を祈る!
仔羊おばさん