私の今の直属の上司が、辞表を提出し、仕事を辞めると言っているそうです。
ごく最近、私はこの上司と意見が対立してしまい、二人の間に冷たい空気が流れているので、どうも直接の引き金になったのが私の言動のようなのですが。
ただ、この上司が「私、絶対にこの会社、辞めますから」と宣言されたのは、去年の5月のことです。もともとこの上司は海外生活が長く、とても人道的な考えを持っている人で、教育に対する考えも私は共鳴するところも多く、そう、なかなか良い上司だったのです。
では去年の5月、何があったかというと、この上司が社内の事務局長と反目しあい、小さな組織の中のことで、ちょっとうまくいかない関係があるとあっという間にエンジントラブルに陥り、エンストしてしまうので、創業者である会長が、上司と事務局長を交え、一席設けて、それで仲良くさせようと、関係を修復させようとしたことがあったのです。
私なぞは、なぜ一席設けると関係が修復できることになるのか、よくわからなかったりするのですが、会長は自分も酒が好きだからか、「同じ釜の飯を食べ、ともに酒を酌み交わせば分かり合えないことはない」と信じているようです。
まあ、私もその考えを真っ向から否定はしません。人間なんて、そんなもんだとは思います。
ともかく、5月にそういうことがあり、上司、事務局長、会長、校長、課長…どんだけ「長」おんねん!ともかく「長」たちが一緒に飲みに行ったわけです。
そして、その翌日です。「私、絶対にこの会社辞めますから」「2月に辞表を出して辞めます」と、おっしゃったのは。
私は、あえて必死には止めませんでした。
なぜかというと、私がそうなのですが、辞めることを考えているときに止められると、それはそれでうれしいけど、止められれば止められるほど、また「辞める理由」をどんどん数え上げてしまうからです。
つまり、逆効果を生みかねないのです…。
そして、1月末、この上司と私が対立してしまいました。
その顛末はまた、後日書こうと思いますが、まさに、この上司が会社を辞める、その理由は
自分のやりたいようにやりたい。
それに文句を言ってくるやつと同じ空気を吸いたくない
ということに尽きます。
え?いい大人でしょ?そんな考えで企業に勤められるの?
生活、やってけるの?
と思う方も多いかと思いますが、この方はかなりな高学歴(たぶん)で、大学で教えてた人なので、大丈夫、そういうことが可能なのです。
あともう一つはプライドが高すぎて、自分が失敗しちゃったかなーという時に「てへぺろ」ができないんです。わかります?
てへっ!
っと頭をかき、
ぺろ!
っと舌を出す。
「あーやっちまったぜ。ごめん、あとよろしく!今度また埋め合わせするから」みたいなセリフを、逆立ちしたって吐けないのです。そして、学生に対してだって、やらかしちゃったら一言謝ればいいんだと思うんですが、それができない。
別に謝ったって、それで先生を尊敬しなくなるとかないと私は思うのですが…。
まあ、ミスしても恥ずかしがらず、職場の人にはどんどん助けを借りたらいいんじゃないでしょうか。部下の力だって借りたらいい。そして、もしも職場で誰かが困っていたら、快くカバーしあえばいいんじゃないでしょうか…。
たしかに、おんぶにだっこで、いつまでも一人前に育たない、とかは避けたほうがいいでしょうし、チョー忙しいのに迷惑をかけられてばっかでも腹立たしいのもわかります。
でも、「受けるより与えるが幸い」と言います。
長時間労働、成果主義の本当の怖さは、そういう人間らしさを失くしていくことなのじゃないかと、今日は思いました。