昔、年寄を山に捨てに行った時代、地域があったそうです。
映画「PLAN75」はワタクシは見ていないので、その映画について云々するのはやめますが、高齢者に「死」を選択してもいい、という世の中はじゃあ、なんでそんな世の中について考えるの?
というと、やはり「姥捨て山」の発想がどこかにあるからだと思います。
ところで、ワタクシの今働いている職場は、がっつり肉体労働でありますが、高齢者はごろごろいます。
めっちゃ重い物を運ぶわけじゃないけど、それでもそこそこ重い物もあるんですよ。
おじいさん労働者も運んでます。
ピッキングと梱包の部門では私より年上の女性、男性も珍しくありません。
強烈、暑いです。
エアコンの設置してあるエリアはただっぴろい倉庫の約半分のエリアで、そこも働いてると上から水をかぶったように汗をかきます。
過ぎたはずの更年期のホットフラッシュが戻ってきたのか?
(。´・ω・)?
と、思うほどです。
残りのピッキングエリアでは、巨大な扇風機やパワーのある扇風機などで、エアコンのあるエリアの冷気をわずかでも送るように工夫をしていますが、それでも5分もピッキングすれば汗だくだくです。
ちょっとした頭痛はもうワタクシは驚かなくなりました(頭痛は熱中症の初期症状のうちの一つ)。
もっと涼しい最新式の倉庫もあるそうですが、少なくとも今のワタクシの働いてるところは、汗まみれになって働く職場です。
不思議と熱中症で倒れる人を見たことはありません。
定期的な水分摂取と定期的な休憩時間の確保が功を奏しているのかな。
ともかくもじーさん、ばーさんは若いやつに混じってそんなところで働いています。
そんなところで働くワタクシからみると、日本は絶対に「○歳になったら死んでね」みたいな施策はとらないだろうと確信します。
それより、どんなに年食っても働かせるほうをとるでしょう。
極端な話、30~40代までの世代が時給1500円とか2000円で働く世の中で、「○歳以上は時給1000円」とか、下手したら500円とか、余裕で出て来そう。その分、そういう人はしゃかりきにやらなくてもいい、みたいな新ルールができそうですけどね。
あと、体力や判断力や脳の働きなどを測定して、その数字がクリア出来たら別に年齢は問わない、とか出てきそうです。
それはそれで過酷な世の中ですね。
ただ、定年後はそれも悪くないと思うのは、結局「年金がもらえるから」です。
年金をもらいながら、ほどほどに働く
というのも悪くはないのです。
また、高齢者が働いている我が職場では、足に障害のある人も働いています。
車いすで働く人は見たことはありませんが(ピッキングエリアの通路が狭い)、足を引きずったりしている人は珍しくないです。
なので、見た目にはっきり見えない障がい者も働いてる可能性は高いですね。
そういう風に雇用の幅が広い面はポジティブに見れば悪くありません。
ただ、「生産できない人は生きる価値なし」という価値観については、ワタクシはどうかと思います。
「姥捨て山」では、でもお年寄りはいろんな知恵を持ってる……。
という話の落としどころでしたが、現代日本では、「若いもんほどの労働はできないが、低賃金で働かせとけばいい」みたいな現実かな。
で、お年寄りのほうも「捨てられるよりは仕事をしてれば健康寿命が伸びて、結果的には姥捨て山送りが避けられる、年金にプラスして現金も入るし、刺激にもなって時代についていける」というところでしょうか。
つまり需要と供給が一致して、いろんな場所で高齢者は(肉体労働部門で)働いている。
( ̄д ̄)
甘くない世の中だわ。
仔羊おばさん