先日、どうして「ただ残業」しちゃうのか「持ち帰り仕事」しちゃうのか、荒っぽく自分の経験から書いてしまいました。
分析としては、荒っぽいものです。他にも様々原因はあると思います。
はなから業務時間内で仕事が終わらないようになってる。
対人業務で接客が終わらないと帰れない。
看護でも介護でも、急に手を離せない状況などは必ずありますもんね。
でも、そこで手当てが出るか出ないかは、ものすごく違います。
ワタクシが長年従事した「日本語教育業界」における「ただ働き」は、上記に書いたような理由以外に「授業準備」というのがあります。
本来は「授業準備」を勤務時間に算定すべきなのです。
しかし、「準備」というものは時間をかけようと思えばいくらでもかけられてしまうので、経営側からしたら、勤務時間に算定すると際限なく払わないといけなくなってしまうのです。
例えば、「絵教材を作る」
何枚も何枚もイラストを描いては消し、描いては消し、しているものを全て払っていたら際限がなくなります。
最近は、ICTの導入もあります。そこまで最先端の学校でなくてもパワポを作る先生がほとんどだと思いますから、パワポ作成に凝り出すと、これまた際限がありません。
学生は「面白くてためになる授業」の先生を高く評価するものです。
そのための努力ですから、授業準備をがんばる教師は評価が高くなります。
もちろん、「教育センス」なるものは存在しますので、その「センス」が弱い方は、パワポを作ったからと言って充実した授業にはならないでしょう。
でも、「教育センス」がほぼ同等の教員同士だと、授業準備に時間をかけたほうの先生が勝ちそうです。
コンピューターに強いかどうかもあるでしょうね。
でも、ワタクシが今までみたところ、日本語の先生をやろうかという人同士、さほど差はありませんよ。
そもそもITやパソコンに強ければ、わざわざこんな業界に来なくてもいいわけなんです。
( ̄ー ̄)
ワタクシ自身、ひととおり日本語の「初級・中級・上級」を教えられるようになるまで、かなりの勉強を授業準備の一環としてやりました。
私がこの業界に入った頃は、今ほど教師用の参考書がありませんでしたから……
私の師は
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さらにこの書籍の前身であった書籍がありまして……
必死に読んで、でもそれをその通り授業で学生に説明するには難しすぎるから、そこからまた自分で例文を考えたりして。
ITすらない時代は、本を買うか図書館で借りるか。
そういう時代を経て「ただ働き体質」になってしまったのかもしれません。
これを解消するには、1週間の授業準備を「よーい、どん!」で何時間以内で必ずやってしまう、ってシステムを作り上げないと難しいでしょうね。
勉強そのものは「知る楽しみ」もあるので、教師にとっては「趣味的」な要素もあります。そんな風に考えていくと、もともと昔の学校の先生の働き方
長い夏休みを取りつつの勤務
というのが望ましいのかもしれません。
でも、実際、日本語教師もそうですが、教員の勤務をどうすればブラックでなくなるようにできるのか、これといって方法は浮かんできません。
それに今はLINE対応もあって、のべつまくなしですもん。
「教師もの」ドラマを見ていると、みんなの理想は「1日24時間生徒のために生きる熱血教師」だと思うんです。
でも、先生だって「親の介護」「子育て」「人間として趣味の時間」「学ぶ時間」「家事時間」「人付き合い」など、ただの人間でしかありません。
どうしたらいいか、かなりの知恵が必要ですね。
仔羊おばさん