ワタクシがサッカーにハマったのは、失業中にインテリアの学校に通い、そこの建築の先生がサッカー/フットボールマニアだったことにさかのぼります。
なんとその年は2002年、日韓ワールドカップの年。
その先生はプロの建築家で、ワールドカップ観戦に日本中駆け巡っておられたし、ご自身もフットサルなどをやっておられた(年齢は当時で40-50代だったと思う)。
もしかして、こんな建築家の人がドはまりする「サッカー」というものは、すごく見る価値のあるものなのかもしれない……。
と、思ったのがサッカーを見るようになったきっかけです。
ついでに言えば、日本代表が長居陸上競技場(いまのヤンマースタジアム長居)で決勝トーナメントに進出を決めたチュニジア戦のちょうどその時、ハローワークの「弥生会計」研修中でした。
今ならきっと現地で観戦か、テレビにかじりついていただろうから、あの時は「ただの傍観者」でしたね。
(;'∀')
しかたないじゃん! 失業中、しかも40代でした。次から次へと不採用通知を受け取っていた頃だよ。まだ住宅ローンもばっちり払っていたし。
さて、まあ、サッカーにハマる理由の一つ目は
1.そこそこな建築家の先生がハマっていたから
です。
2.「ファンタジスタ」がいるから
サッカーを見るようになって、この「ファンタジスタ」という言葉にはとっても惹かれました。
当時は日本の中村俊輔が「ファンタジスタ」と呼ばれていました。
でも、正しくは「ファンタジスタ」はフォワードの選手に使われる言葉だそうですので、中村俊輔選手をこの称号で呼ぶのは間違っているようです。
しかし、サッカーを見始めた頃の私は、この「ファンタジスタ」にすっかり魅せられてしまいました。ゴールの近くから、また遠くから、様々な弧を描きボールがゴールに吸い込まれていく。
「魔法使い」「魔術師」とでも訳すのでしょうが、「ファンタジー」という言葉の派生と考えると、それは「ゴールへの幻、夢、アイディアを持っている人」のように私には思われました。それは、これまでに見たどんなスポーツとも違う世界を持っていました。フットボールはこのような「夢」を未だ持っているスポーツということが言えるのです。それが私をのめりこませるのです。
3.中村俊輔がいたから
日本でもイタリアでも活躍した中村俊輔選手ですが、2004年アジアカップ、オマーン戦でのゴールは特に忘れられません。
また、スコットランドのセルティックに所属していた時、イギリスの強豪・マンチェスターユナイテッド相手に決めたフリーキック。
今もセルティックでの中村俊輔のプレー集とか目にすると、本当「すんごい!」です。
中村俊輔以外、日本に「ファンタジスタ」と呼ばれるプレーヤーは出てきていません。私のような素人にも、彼のプレーの創造性、プレーに現れる気迫は抜きんでていました。
フリーキッカーとしては、遠藤保仁、本田圭佑も南アフリカワールドカップで決めてくれて、そういうキッカーがいるのは当然のことかと当時は思っていましたが、なんとその後、それほど怖さのあるキッカーが日本代表チームに出てきていません。
今こそ思う、中村俊輔選手の素晴らしさ、であります!
(`・ω・´)ゞ
3.2004年アジアカップの優勝を見てしまったから
優勝に至るまでのぎりぎりの勝利の数々。
先述のグループリーグ初戦のオマーン戦、決勝リーグのヨルダン戦はPK勝利、バーレーン戦の打ち合い、に比べると決勝の中国戦はむしろ楽でした。
中国での猛烈なブーイングの中優勝した日本チームの戦いぶりはハラハラドキドキの連続でした。
松木安太郎さんの解説がすごいと思ったのも、この大会でした。
ヨルダン戦のPK、日本は最初の2人が外し、絶体絶命だったんです。でもその時、松木さんの
「まーだ、わかりまっせんよーぉ!」
の言葉、忘れ難いですねーー。
ホントにその後日本は形勢逆転してPK勝利!!
(≧▽≦)
このアジアカップはDVDを買って、何回も繰り返して見たものです。
サッカーは「走る」競技です。短距離を走る技術もいる、でも90分を走り切る力もいる。短距離走と長距離走が混在しているのです。
5.消耗戦の側面があるから
サッカーは「毎日連戦」というのがありません。野球に慣れ親しんで育った私にすれば、試合が毎日でないのは寂しいことでもあります。
でもそれは、サッカーが「消耗戦」だからです。1試合でものすごく選手は消耗します。で、勝負はこの1試合の中だけの良しあしでなく、長い消耗戦の中での勝利であり敗戦である、という側面があります。
ワールドカップでも、グループリーグから決勝トーナメントに進むと、ケガ人、イエローカードの累積などで、控えメンバーがどんどん出てきて、この選手層の厚さ薄さも勝負に影響してくるのです。
6.控え選手が勝負を左右するから
これは「5」の消耗戦とも関係があるのですが、先発がヘロヘロになった後、また最初のメンバーがケガやカードで離脱した後、出てくるメンバーが最重要の肝心の試合結果を左右していくのです。ワールドカップなどの決勝トーナメントは、下手したら、お互い疲れ切っていて、そしてその中で「勝ちたい」気持ちのせめぎ合い。試合の質はもしかしたら予選リーグのほうがよかったのかもしれないが、パスミスが起ころうが、息が合わなかろうが、しゃにむに「勝ち」をもぎ取りにいくのですよ!
2011年に優勝した「なでしこJAPAN」では、川澄奈穂美選手が最初は控えメンバーだったのが、最後には先発でした。スゥエーデン戦の川澄奈穂美の遠くから決めたシュート!痛快でした!
ドイツ戦で途中出場の丸山桂里奈選手のゴール、いやーこの大会の一番の見どころでした!
大会直前に怪我で離脱するメンバーの代わりの招集がドラマを呼ぶこともよくあり、それがまたドキドキなんですよねー。
7.個人戦もあるから
サッカーは11人。チーム同士の対決でありますが、一方「個人戦」もあります。
1対1の攻防は、時にプロレスやボクシングのような個人戦の趣があります。
チームとして味方チームのメンバーをサポートするプレーもあれば、一人で目の前の敵と戦うプレーもあるスポーツなのです。
8.番狂わせが起こりやすいから
これは、他のスポーツと比べても、確かに起こりやすいと思います。
ジーコさんは、「ホームチームの有利性は絶対だ」なーんてこともおっしゃってたそうです。
これは「走る」スポーツで、「消耗」するスポーツというところにも起因しているんでしょう。
試合の最後の最後のところの選手の疲れ具合に、気候やコンディションが影響するんですよねー。で、セットプレーの守備で集中が途切れたりして。
「ドーハの悲劇」
もう、言うまでもないのです。
また、起こりえないミスでゴールが入ってしまったりもします。
たぶん、ゴールが大きいんです。日本のフォワードが外し続けたり、GKに防がれ続けたりすると、「ゴールって狭い」と思ったりするんですけど、アクシデントで入っちゃったりするくらいの大きさなんです……
(>_<)
同じチームの選手からのバックパスがGKをスルーしてゴールに入ってしまう……。
ゴールを防ぐはずだったのに、なんか当たっちゃってゴールに吸い込まれるボール。
( ゚Д゚)
それが悲劇であり、喜劇であり、勝負を左右する。
格下がいつも負けるとは限らない。今予選でも、日本代表は初戦のオマーン戦、落としましたよね……。
でも逆に、日本がチェコに勝ったりフランスに勝ったりする意外も起こったりするわけっすよ。これがたまらんのよ。
そういうので、また見ようとか思っちゃうワケ。
9.日本は後発国だから
日本は、ランキングでいえば現在、男子26位、女子11位です。
ずいぶん上のほうだとも言えるし、いやいや下がったとも言える。
女子はかなり下がった印象が強いですね。
この状況の中、日本は世界一を目指して日夜頑張っています。「夢」なのです。
で、日本の選手は何もかもある日本を飛び出し、ヨーロッパでアメリカで修行です。
「ただ今上昇中」それが日本のサッカーの立ち位置です。
これが素敵なんだなあ。
Jリーグも.WEリーグも、リーグ自体の価値を上げていくべく、頑張っている。
サポーターとしては、なかなか応援のし甲斐がある状況なんです。
10.「蹴る」スポーツである
あるとき、ふっと考えました。
どうしてサッカーは世界的に人気があるのか?
どうして市場規模がでかいのか?
他のスポーツとの違いは何なのか?
(。´・ω・)?
「ヒト」の「ヒト」たる特徴は?
二足歩行。
脳が発達した。
手が使える。
そう。サッカーはこの「手」の使用を封じた。
そこでサッカーというスポーツには、少し「パラスポーツ」の風合いが加味されます。
実際には、サッカーは様々な局面で手を使うので(相手選手を押さえたりとか)、パラスポーツではないのですが、人が最もうまく器用に使える「手」をボールを扱う道具としては禁じたところに、このスポーツの奥深さがあると私は思っています。
人類が足だけでボールを扱う時、無数のドラマが生まれる。
それがフットボールの魅力であり、ワタクシを引き付けて離さないのです。
仔羊おばさん