ほんの1週間前。
我が同僚、トシさん(仮称)とは少なくとも夏休みまではともに働く予定でみんな動いていた。
それが、コロナウィルスによる緊急事態宣言のさなか、突如変わった。
トシさんに退職勧奨が出た。
トシさんはそれに応じた。
そして、2日3日職場にちょっと顔を出し、あらゆるものを片付けて、トシさんは我が職場を去って行った。
ちょうど「12月入社さん」(事務畑の仕事をしてた方。12月の入社後からずっと退職を考えていたらしい。)と時を同じくして退職、ということになった。
トシさんは会社都合による退職ですぐに失業保険がもらえる。
また、彼はすでに次の職場が決まっているので、傷は比較的少ないと言える。
これも、コロナにより新入生が来日できないことと、(おそらくは、であるが)
経営母体がこのコロナ禍で、経営状態が悪化しているのだと思う。
辞める二人には何もしなかった。
お花も贈らず、色紙を書くでなく。
12月入社さんはそれでも、朝礼であいさつをしてもらった。
トシさんは、本人の希望もあり、大々的に辞めることを発表もしなかったので、そう
風のように
去って行った。
最終的に、トシさんは
野武士のような人だった。
風来坊。
刀は、心のどこかにさしてあったと思う。
退職勧奨に彼はあっさりと応じ、1週間経たずに出ていった。
彼は故郷に帰るつもりだと言う。
トシさんの住所だけは聞いた。
彼はラインをやらない。
年賀状だけは送ろうと思う。
自分で言うのもなんだけど、ワタクシとトシさんはいいコンビだったと思うよ。
仔羊おばさん