50~60代女性の転職 from55life

長年のワーキングマザー経験から綴る今

なぜ仕事を辞めることになるのか④

 非常勤講師の方々の契約が終了になっても、私は専任教員だから、その時点では契約終了になったわけではなく、仕事を続けることができました。

 でも、そのごたごたは後に、自分が退職に至る原因の一つに確かになっています。

 

 私はそのごたごたが起こるまでは、主任とも仲がよかったのですが、その他の専任教員とも、非常勤の方とも、人間関係良好に勤めることができていました。

 しかし、そのごたごたで、つくづく嫌になり、誰とも個人的に付き合うのはやめようと考えてしまったんです。

 私はワーキングマザーのはしくれでもあり、家族の生活も私の双肩にかかってもいるわけです。

 ちょっと傲慢な言い方になりますが、しょーむない人間関係のごたごたに巻き込まれて、自分だけでなく子供の生活をそこにつき合わせるわけにもいきません。マンションのローンも払っていたし、派閥争いに巻き込まれるのはまっぴらごめん!

 と…。

「一人静かに仕事に集中させてくれ」それが私の考えていたことです。

 

 でも、今振り返ればそれが自分の孤立につながりました。

 誰かに愚痴をこぼすこともなくなり、精神的にしんどくなった時に気持ちのバランスを崩す原因にもなりました。

 自分が精神的にしっかり立てる状態の時はそれでも問題はなかったのですが、更年期になり、持病が(糖尿病でして)思わしくなくなったり、親の問題を抱えたり、子供が育つまでは子供の問題と戦い、子供が巣立てば今度は「空の巣症候群」…

 精神状態もめまぐるしく変化しました。

 また、ワーキングマザーをめぐる職場の問題、というのも大きいです。

 結構楽しく仕事をしていた頃というのは、職場で夫のこと子供のこと、それこそ非常勤の先輩ママたちに気軽に聞いたり話したりしていました。

 ところが、そういう話題が嫌な同僚もいるかなと思って、ある時から話すのをやめました。そしてそれは、大人として必要な配慮でもあったとは思います。

 だけど、それなら、仕事の場それ以外のところで、同僚のママ友を作っとけばよかったし、自分たちの処遇、自分たちの問題を雇用側に訴えていくことも、大事な仕事だったんじゃなかったかと、今は反省です。

 

 私が最終的に辞める前に実は、専任が一人、他の専任や主任から目の敵にされたあげく辞める、ということがありました。

 私は上記に書いたように一人孤立の状態でしたから、いわゆるいじめ側には加担していませんでしたよ。なにかとかばおうかばおうとはしました。

 ただ、その専任が1度ならず2度までも無断遅刻だか無断欠勤だかをして、助けることはできませんでした。

 でもその先生が去った後、「次は誰かな…」と自分に問う自分がいました。私の職場は、結構そういうことを繰り返していたんですね。「あいつだめだ」みたいな空気になって、なんとなく多数派の専任たちがその専任をグループから外していく感じです。

 その専任が辞して、「次は誰…?」という問いに、自分で「私だね」と答えざるをえませんでした。

 私は無断欠勤も遅刻もなかった。落ち度はなかったのですが、昼休みをしばしば取っていたし(許可されている休憩時間のことですよ)、できるだけ定時を守って帰ろうと努力したりしていましたから、いわゆる「フリーライダー」に近かったんでしょうね。

 そう。私の職場では昼の休憩を取らないのは当たり前、1日1,2時間のただ残業も当たり前と考えている人が主任になっていましたから…。

 だから、私は主任にならなければいけなかったんです。私が主任になって職場の考え方そのものを変えないと、自分の身は守れなかったし、後に続くワーキングマザーにとって、家庭と両立できる職場を作ってあげるべきでした。

 自分にその能力がなくて主任になれなかったのなら、別にそれであきらめもつきますが、私はそれを「望む」ことすらもしなかった。それに向かってがんばることをしなかったんです。

 それがもう一つの後悔です。