私は大学を卒業するときは、これからは女性も定年まで働くんだ、と結構意気軒高なはねっかえりでした。そこそこ負けず嫌いな性格だったので、最初に就職した会社でも、売り上げ一番を目指して必死にやりました。
そんな性格でしたから、専任講師として働き始めた40歳の時も上昇を目指していたか?
答えはNoです。
社員を目指すべき…という考えは根底には持っていました。でも、1年契約の専任教員で、もう十二分に仕事はしんどかったんです。それだけじゃなく、小学生の子供も二人抱えていました。
最初は保育園の送り迎え、小学校なら学童保育へのお迎え、それだけじゃないですよ。食事の用意、洗濯やら掃除やら、どれもこれも中途半端にしかできないし、やってないけど、それでも何の時間もない。もう生きてるだけ。
よく、子供だけをうちに置いて、親が出かけている間に火事が…というニュースを目にするのですが、私も何度もそういうふうに家をあけることがありました。
自分が死なずに生きて、子供も死なさずに育ててってだけで、もう十分にしんどいんです。
その二つを両立(実際、両「立」なんておこがましい言い方です。まったく「立」ってませんでした)して、とにかく回転してるだけでもう精いっぱいなのに、それ以上職場での上昇を目指せとか、後に続くワーママのために道を拓けとか、そりゃ気持ちはなくはないですが、現実にそれどころじゃないんですよね。
私のいた職場は待遇の悪い学校ではなかったと思うんですが、どんなに定時で帰ることを目指しても、なかなかそれも難しいことでした。
朝はできるだけ早く行って、とかしてがんばりました。