ワタクシこと仔羊の仕事は、日本語学校の専任教員、というか教務主任をしている。
授業も持っている。
が、日本語学校は学校なので、3月中旬に卒業式をやって、今は新入生の到着を待っている。いわゆる「春休み」中だ。
ところで、私の勤める会社では、技能実習生に対する日本語教育も請け負っている。
彼らは、日本に来て2か月あるいは1か月(期間は職種による)日本語教育を受けて、それぞれの実習先、こと職場に行く。そして、働く。
明日から施行の「特定技能」は、我が校への影響はまだ具体的にはない。
職種にもよるが、介護などは大体、今夏か今秋以降から試験が実施されて、それからの来日やビザ発給になりそうだ。
前置きが長くなった。
我が校の技能実習のクラスを見て思ったのだ。
技能実習生に対する教育はたとえ日本語のクラスといえど「職業教育訓練」なのだ。
そのクラスは「起立!礼!」で始まる。
「よろしくお願いします!」と学生たちは頭を下げる。教師の指示通り動くことが求められる。
なんかちょっと軍隊的だ。
その教育は、まさに私が小学校時代に受けたものだ。
工場やなんかで、反抗せず、四の五の言わずに働くための教育。
命令通りに働く教育。
彼らは、今、日本語クラスで挨拶を徹底的にやるように教えられているので、とても礼儀正しい。
きっと、各職場に行ったら、「日本人より外国人のほうがよっぽど礼儀正しくてよく働く」と高評価を得るだろう。
でも、それは訓練されて、そうするように強制されているからだ。
別に心から礼儀正しいワケじゃない。礼儀正しく見える行動を教えられて、それに従っているのだ。
そして、それを教えている先生たちは、そういう教育が技能実習生にとって必要な教育だから、何の疑問も持ってないように思う。
私などは、その様子を見ていると、「これは教育なのか?それとも調教なのか?」と、ギモンに思ってしまうのだ。
長年、大学や大学院に進学する学生の教育をやってきた私などは、学生に「問題意識を持て」と教えてきているから、「日本ではこうするんだ、良い働き手の行動規範はこうだ」という教育に違和感を覚える。
でも、技能実習生にしろ、特定技能にしろ、日本に馴染むように教育しないといけない。職場で摩擦を起こすようだと、来日の目的である「お金を得る」「できるだけたくさん給料をもらう」というのに結びつかない。
大事なことは、技能実習生に対する教育が、彼ら一人一人の幸福に結びつくものであることだ。
ただ、日本の国益のためだけに行われる教育だったら、
そんな教育は私は嫌だ!
(; ・`д・´)
仔羊、結構マジだ!
私も含め日本語教師たちはちょっと立ち止まって、自分のやっている教育がどんなものなのか考えたほうがいい。
クールに見る目を持っていたほうがいい。
2019年3月31日
改正入管難民法施行前夜
仔羊おばさん