「わたしは親とは違う」という言葉を口に出したのは小学校5年か6年の時。
自分の考え方は親とは違う
50代半ばの年齢に達した今、それを言葉にするなら「親と価値観が違う」ということで、それに気づいたのが、小学校高学年のその頃のことだった。
「精神的な自立」の始まりだったと思う。
親に初めてお金を渡したのは、大学を卒業して就職してからだ。これからは月々収入がある、ということで、毎月3万円家にお金を入れた。大学在学中にアメリカにホームステイに行った時のローンも月々返済計画した。
「経済的な自立」の第一歩だったけど、自分一人で生計を立てていたわけではなかったから、「ちょっと経済的に自立しかけ」くらいだった。
26歳で、日本を離れて台湾へ。日本語教師として赴任した。
その時が、正真正銘、「経済的な自立」の時だった。
自分一人で自分の家計のやりくりを始めたのだ。
…それ以降、自分で自立してきたつもりだし、実際人から見ても自立してきただろうと思う。結婚して、子供も育てたけど、フルタイムで働き続けてきたし。
6年前、だから2012年、長男が進学で家を離れた。その2年後、成人。
3年前、だから2015年春…下の子が進学で上京した。家に夫婦2人になった。
2年前、上の子が卒業して就職した。出勤するスーツ姿を見て
「サラリーマンみたい」って思ったけど、サラリーマンになったんだから、そう見えて当然だった。
子供が小学校時代、よく窓から登校する姿を見送っていたのだけど、その窓から出勤していく姿を見たら、泣けてしまってしようがなかった。
その頃、「空の巣症候群」に苦しんだ。自分だけはそうならないはずだったのに。
そうなるのが嫌で、仕事も続けてきたのに。いろんな先輩ママの書いたブログや投稿を読んで、いちいちうなづいた。
私もおんなじだ。
去年、下の子が成人した。来年、もしも順調にいけば、下の子も就職する。もう仕送りもしなくて済むし、そうしたら私たちは経済的にほっとするだろう。
でも、でも、でも。
私の心の空虚感はまだ埋まっていない。
「空の巣」は「空の巣」であって、そこには卵もひなもいない。
(ノД`)・゜・。
「子離れ」なんて言葉、一体誰が考えたんだ、言い出したんだ!
そんなの不可能だ、人間業(にんげんわざ)じゃない!
(。-`ω-)ムリ
てなわけで、50代半ばにして、
「子離れ」という自立
は、今、私の前に大きく立ちはだかっている。
これまでの自立は自然な流れでやってきた。
だから、今度も自然な流れで私は子供から「自立」するんだろうか?
人は、未来に向かうしかない。
「空の巣」から、今日も出勤するばばになった私の一日が、今日も始まる。
仔羊おばさん